投資が怖い初心者へ。怖さの正体と少額から安心して始める方法

投資

「投資を始めたほうがいい」という話は、あちこちで耳にします。同僚が積立投資の話をしていたり、ニュースで資産形成という言葉を見かけたり。それでも、いざ自分がやるとなると足がすくむ。損をしたらどうしよう。騙されたらどうしよう。

その感覚、おかしくありません。むしろ大切にしてほしい感覚です。

シズヤ
シズヤ

周りはみんな投資を始めてるみたいなんだけど、ぼくはどうしても怖くてさ。ギャンブルみたいなイメージが抜けないんだよね。

リベロウ
リベロウ

ふぉっふぉっふぉ。怖いと思えるのは、お金を真剣に考えておる証拠じゃよ。今日はその怖さを、一つずつ紐解いていこう。

この記事では、投資が怖いと感じる理由を3つに分解し、その怖さを小さくしながら始めるための原則を紹介します。「怖さを消してから始める」のではなく、「怖さと付き合いながら小さく始める」のが、この記事の立場です。

読み終わる頃には、「これくらいなら、自分にもできそうだ」と思える一歩が見つかるはずです。無理に投資をすすめる記事ではないので、安心して読み進めてください。

投資が怖いのは、正常で健全な感覚

まず知っておいてほしいのは、投資を怖いと感じるのは人間として自然だということです。

人は「得をする喜び」より「損をする痛み」を大きく感じる生き物です。行動経済学では損失回避と呼ばれる性質で、同じ1万円でも、もらう喜びより失う痛みのほうが強く感じられることが知られています。臨時収入の1万円は数日で忘れても、財布から落とした1万円は何年も覚えている。あの感覚です。投資に腰が引けるのは、この心のブレーキが正しく働いているからです。

つまり、怖がっているあなたは、お金に対して不真面目なのではなく、慎重なのです。そして投資の世界では、慎重さは弱点ではなく武器になります。怖さを知らないまま大金を突っ込む人より、怖がりながら少額で始める人のほうが、長く続けられる傾向があるからです。

わたしの友人も「数字を扱う仕事なのに、自分のお金のことになると怖くて動けない」と数年間悩んでいたそうです。ところが、あるとき「怖いなら、怖くない金額でやればいい」と発想を変えて、月数千円の積立から始めてみた。すると、値動きに一喜一憂しない自分に気づいて、拍子抜けしたといいます。

怖さは、消すものではありません。怖くない大きさまで、賭け金を小さくすればいいだけです。

シズヤ
シズヤ

怖がりのほうが向いてるかもしれないなんて、考えたこともなかった。

リベロウ
リベロウ

そうじゃろう。投資で退場する人の多くは、怖さを忘れてしまった人なんじゃよ。

「怖い」の正体は3つに分けられる

ひとくちに怖いと言っても、中身は人によって違います。分解してみると、それぞれに対処法があることが見えてきます。

怖さ1:損をするのが怖い

一番大きいのがこれでしょう。汗水たらして貯めたお金が減るかもしれない。その不安は当然です。

ただ、ここで整理しておきたいことがあります。投資のリスクは、やり方によって大きさがまったく違うということです。一つの会社の株に貯金を全部つぎ込むのと、世界中の会社に月数千円ずつ分散して積み立てるのとでは、同じ「投資」でも危険度は別物です。前者のイメージで後者まで怖がっているとしたら、少しもったいない状態と言えます。

乗り物にたとえるなら、レース用のバイクと路線バスくらいの違いがあります。どちらも事故の可能性はゼロではありませんが、危険度を同列に語る人はいないでしょう。

損をする怖さへの対処は、「損をしても生活に響かない金額でやる」こと。これに尽きます。金額の決め方は後半の3原則でくわしく説明します。

怖さ2:よく知らないものが怖い

株、投資信託、NISA。言葉は聞いたことがあっても、仕組みを説明できるかというと自信がない。人は、正体がわからないものを本能的に怖がります。おばけと同じで、正体がわからないから怖いのです。逆に言えば、正体さえ見えれば怖さは自然と縮みます。

これの対処はシンプルで、少しだけ知ること。すべてを理解する必要はありません。「投資信託は、たくさんの会社の株を少しずつ詰め合わせたパック商品」くらいのざっくりした理解で、怖さはかなり薄まります。

わたし自身「わからない用語を1日1個だけ調べる」というルールを2週間続けたことがあります。積立、分散、インデックス。14個の言葉の意味を知った頃には、「投資=得体の知れないもの」という霧が晴れて、怖さより興味が勝つようになっていました。

怖さ3:騙されそうで怖い

「必ず儲かる」「月利10%保証」。投資の世界には、残念ながら怪しい話が実在します。騙されたくないという警戒心は、投資を始めたあとも絶対に手放さないでください。

見分け方は一つ覚えれば十分です。「必ず儲かる」と言い切る話は、すべて疑ってかかる。投資に絶対はないので、絶対を約束する時点で嘘なのです。金融庁に登録された証券会社を使い、うまい話には乗らない。この2つを守るだけで、危険な入り口の大半は避けられます。

特に注意したいのは、SNSや知人経由の儲け話です。「限定」「今だけ」「あなただけ」と急かしてくる話ほど、立ち止まってください。まっとうな投資は、明日始めても来月始めても大差ありません。急かされる理由がないのです。

シズヤ
シズヤ

ぼくの怖さは、1と2が混ざってる感じだなあ。正体がわからないまま、漠然と全部怖がってたよ。

リベロウ
リベロウ

怖さに名前がつけば、もう半分は攻略できたようなものじゃ。残り半分は、始め方の工夫じゃよ。

怖さを小さくして始める3つの原則

怖さの正体がわかったら、次は「怖くない始め方」です。投資の教科書に必ず書いてある基本ですが、初心者の不安を減らすためにあるようなものなので、順番に見ていきましょう。

原則1:生活防衛資金を先に確保する

投資に回してよいのは、当面使う予定のないお金だけです。目安として、生活費の半年から1年分は預金で確保しておく。これを生活防衛資金と呼びます。

この土台があると、投資の値動きへの感じ方が変わります。多少値下がりしても「生活は困らない」と思えるからです。怖さの多くは「減ったら生活が危うい」という切実さから来ているので、土台の預金こそが最大の安心材料になります。

「そんなに貯金がない」という場合は、投資を焦る必要はありません。まず毎月の生活費を把握して、防衛資金を貯めるところから始めるのが正しい順番です。この期間は遠回りではなく、投資の助走そのものです。

原則2:失っても痛くない金額から始める

最初の金額は、月々数百円や数千円で構いません。今は多くの証券会社で100円から投資信託を購入でき、ポイントで投資を体験できるサービスもあります。

「そんな少額で意味があるのか」と思うかもしれません。結論、あります。最初の目的は増やすことではなく、値動きに慣れて、怖さの感覚を実際に確かめることだからです。本で100回読むより、1,000円分の値動きを1か月眺めるほうが、投資の感覚はつかめます。自転車の練習と同じで、乗ってみないと身につかない種類の感覚があるのです。

他にも、買い物でたまったポイントで投資を始めることもできます。現金ではないので、怖さが減少するのです。ポイント投資をきっかけに、値動きの感覚がつかめた頃には、月数千円の積立を自然に始めているかもしれません。最初の1年で増えた額は缶コーヒー数本分かもしれませんが、それよりも「怖くなくなったこと」が何よりの収穫です。入り口のハードルは、低ければ低いほどよいのです。

原則3:長期・積立・分散を守る

投資の怖いイメージの多くは、短期売買の姿です。画面に張り付いて、上がった下がったで売り買いする。あれは初心者がやる必要のない世界です。

初心者の王道は、その真逆にあります。世界中に分散された投資信託を、毎月同じ額だけ、何年もかけて積み立てる。売り買いのタイミングを計る必要がなく、一度設定すれば自動で続く方法です。日々の値動きを見なくてよいので、精神的な負担も小さくて済みます。NISAのような税金が優遇される制度も、この長期の積立と相性がよい仕組みになっています。

長い時間をかけるほど、一時的な値下がりが結果に与える影響は小さくなっていきます。例えば30代で始めれば、定年まで20年以上の時間がある。時間そのものが、初心者にとって最大の味方です。これは若いうちに始める人だけが使える強みでもあります。

シズヤ
シズヤ

毎日チャートとにらめっこするのが投資だと思ってたよ。ほったらかしでいいなら、ぼくにもできそうな気がしてきた。

リベロウ
リベロウ

うむ。初心者の投資は、退屈なくらいがちょうどよいんじゃよ。

「投資をしない」を選ぶなら、それも立派な判断

ここまで読んで、それでも怖いと感じるなら、無理に始める必要はありません。ただし、一つだけ知っておいてほしいことがあります。

近年、食品や日用品の値上がりを実感する場面が増えました。物価が上がるということは、同じ金額で買えるものが減るということ。つまり、預金は金額こそ減りませんが、その価値がじわじわ目減りする可能性があります。通帳の数字は同じでも、その数字で買える暮らしが少しずつ縮む。「預金だけならノーリスク」とは言い切れない時代になりつつあるのです。

これは「投資しないと損をする」という脅しではありません。預金にも投資にも、それぞれ違う種類のリスクがある。その両方を知ったうえで「自分は預金でいく」と選ぶなら、それは思考停止ではなく判断です。何も知らずに放置するのと、知ったうえで選ぶのとでは、同じ結果でも意味がまったく違います。知って選んだ人は、状況が変わったときに選び直すこともできるからです。

わたし自身、投資を始めることを検討した結果、「まず家計の見直しと生活防衛資金づくりを1年やる」と決めました。投資は始めなかったものの、お金について調べた過程で使っていないサブスクや割高な保険が見つかり、月々の貯金額が増えました。「怖いから調べた」ことが、投資とは別の形で実を結んだケースと言えます。こういう回り道は、決して珍しくありません。

大事なのは、投資をするかどうかより、自分のお金の行き先を自分で決められる状態になることです。

シズヤ
シズヤ

始めない選択もありなんだ。なんだか肩の力が抜けたよ。それならフラットな気持ちで調べられそう。

リベロウ
リベロウ

それでよいのじゃ。追い立てられて始めた投資は、たいてい長続きせんからのう。

まとめ:怖さと付き合いながら、5分の一歩から

この記事の要点を振り返ります。

  • 投資が怖いのは損失回避という自然な心理。慎重さはむしろ武器になる
  • 怖さの正体は「損」「無知」「詐欺」の3つ。分解すればそれぞれ対処できる
  • 生活防衛資金・少額・長期積立分散の3原則で、怖さは小さくして始められる

投資は、怖さがゼロになってから始めるものではありません。怖さを感じたまま、影響が小さい金額で一歩を踏み出し、歩きながら慣れていくものです。そしてその一歩は、驚くほど小さくて構いません。周りと比べる必要もありません。同僚がいくら積み立てていようと、あなたの家計とリスクの感じ方はあなただけのものだからです。

今日の一歩は、「投資信託とは」で検索して、記事を1つだけ読んでみること。あるいは、ネット証券のサイトを5分だけ眺めてみるのでも構いません。口座を作る必要も、お金を入れる必要もまだありません。おばけの正体を、少しだけ照らしてみる。それが今日の5分でできる、いちばん確実な前進です。

シズヤ
シズヤ

よし、今夜「投資信託とは」で検索してみるよ。読むだけならタダだし、怖くないもんね。

リベロウ
リベロウ

その調子じゃ。知ることは、怖さを味方に変える最初の魔法なんじゃよ。

投資に回せるお金の余裕をつくるには、収入の入り口を増やすのも一つの手です。副業に興味がある方は、こちらの記事から読んでみてください。

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